2009.11.13-14
ウィーン国立民族学博物館
「日本の宮廷音楽と舞踊」
4月の特別展「メイド・イン・ジャパン」開会式に引き続き、実行委員会メンバーから再度の公演依頼をいただき、再演の運びとなりました。
会場は4月と同じくウィーン国立民族学博物館。ハプスブルク家の王宮として造られた建物は19世紀末のネオ・バロック様式で、
大理石の豪華な4階建て吹き抜けドーム型の会場は音響効果が大変素晴らしく、厳粛・荘厳・神秘的な音響はまさに雅楽・舞楽向けです。
「舞台と観客がまさに一体となった極度の緊迫感、舞台芸術の真の醍醐味を体験した」との声をいただいた通り、観客は幽玄の世界に酔い、
同時に私たち出演者も不思議な感覚を味わいました。ここで演奏できることは光栄の至りであり、貴重な機会をいただいたことに深く感謝
いたします。
今回のプログラムでは管絃の間に楽器紹介が行われ、来場者に雅楽への理解をより深めていただくことができました。
入場者:約350名(2日間)
プログラム:
第一部 雅楽入門 / 舞楽「陵王乱序」
第二部 舞楽「胡蝶」/ 管絃「平調音取」「越殿楽」/ 楽器紹介 / 管絃「陪臚」/ 神楽舞「浦安の舞」
2009.11.16
ルーヴァン・カトリック大学
ルーヴァン大学日本学科 雅楽コンサート
ルーヴァン・カトリック大学は1425年創立のベルギー最古の大学です。
現在、教育研究が従来のフラマン語圏(オランダ語圏)と1968年の大学分割により新しく創立されたフランス語圏の二つの大学機関によって
なされています。今回は、首都ブリュッセルから東へ20km離れた中世の香りを色濃く残した歴史的にも古い大学都市であるルーヴァン市に
おいて演奏会が行なわれました。
演奏会は大学の教育プログラムの一環として企画され、在ベルギー日本大使館及び日本ベルギー協会兼商工会議所(BJA)の後援を受けました。
当日は、横田淳在ベルギー日本国特命全権大使ご夫妻始め、日本人会及び日本ベルギー協会兼商工会議所の役員及び会員の方々約80名、
ルーヴァン大学日本学科を中心とした学生約100名、地元ルーヴァン市及びブリュッセル市から一般入場者約340名、総計約520名の来場者がありました。
入場者:約520名
プログラム:
第一部 雅楽入門 / 舞楽「陵王乱序」
第二部 舞楽「胡蝶」/ 管絃「平調音取」「越殿楽」/楽器紹介/ 管絃「陪臚」/ 神楽舞「浦安の舞」
来場者の声:
「演奏会は見事なものでした。全ての楽人は優れた技量を発揮され、豪華な装束がシンプルな会場によく映えました。舞人の方々の衣装も
同じく豪華でシックで、気品に溢れていました。舞の動作はエレガントで慈愛に満ちており、日本の豊かな文化を代表するものでした」
「参加者の殆どの方が感動されていました。管絃及び舞楽とも全く初めての経験という方もおり、とても印象的だったようです。
企画全てが完璧にオーガナイズされておりました。招待者に対しての大学スタッフ及び学生によるケアも素晴らしい対応でした。
本当に素晴らしいイベントでした」
素晴らしい演奏・舞を間近に見ることができ、貴重な時間を過ごしました。その中でも冒頭の『陵王』には引き込まれ、感動いたしました」
「雅楽は初めてで、非常に印象深くおもしろかった。集中して聞いていたので、もう終わってしまったと感じました」
「音の感じや踊りが西欧のものと全然違うので、不思議な感じだった」
「説明がとても勉強になった。楽器紹介のおかげで楽器の音を一つ一つ考えながら聞け、興味深かった」
「衣装・お面がとてもきれいで見とれてしまった。その説明も聞きたかった」
2009.4.21
ウィーン国立民族学博物館
特別展「メイド・イン・ジャパン」開会式
2009年は日墺修交140年に当たり、これを記念して「日本オーストリア交流年2009」が開催されています。
この記念行事の一環としてウィーン国立民族学博物館では「日本の四季」と題した展示とイベントが用意されていますが、
その中心となるウィーン民族博物館所蔵コレクション特別展「メイド・イン・ジャパン」が4月22日から始まりました。
(展示期間:2009年4月22日〜2010年3月31日)
北之台雅楽会は21日に催されたオープニング・セレモニーにて雅楽演奏と舞楽「青海波」を披露しました。
会場:ウィーン国立民族学博物館 (ホーフブルク新王宮内)
入場者:約600名
来賓:オーストリア大統領(ハンス・フィッシャーご夫妻)、美術史美術館館長(サビーネ・ハーグ氏)、
ウィーン大学東アジア研究所所長(セップ・リンハルト氏)、在オーストリア日本大使(田中映夫氏)、
在日本オーストリア大使、7カ国の在日本オーストリア全権大使
来場者の声:
「別の世界にいるようだ」「魔法にかけられたようだ」「神秘的で素晴らしい」「何と言ってよいか分からない」
2009.4.22
ウィーン大学
「青海波庭園」レクチャー・コンサート
ウィーン大学は1365年創立のドイツ語圏最古の総合大学です。1998年に建てられた新キャンパス(
Universitätscampus AAKH)内にある日本庭園の開園10周年の記念行事として、北之台雅楽会は雅楽演奏と舞楽「青海波」を披露しました。
「青海波庭園」と命名されたこの庭園は、日墺修交130年の折に日本ガルテン協会によってウィーン大学日本学研究所(現、東アジア研究所)
時計台前に作庭されたもので、和を重んじる日本の心が世界平和をもたらすことを祈念してデザインされました。
当日は日本ガルテン協会会長 原田榮進氏が特別講演され、その後、雅楽演奏と雅楽の歴史や楽器の説明、舞楽「青海波」を披露しました。
講義会場:ウィーン大学AAKHキャンパスA講義室
主催:ウィーン大学東アジア研究所日本学科
聴講者:約100名
|
|
|
|
ウィーン大学AAKHキャンパス「青海波庭園」 Photo/Universität Wien (ウィーン大学提供写真) |
熱心に聴講する学生たちを前に舞楽「青海波」を披露。青海波は二人舞ですが、講義室のスペースの関係で一人で演じました |
参考資料: 装束の文様-青海波と千鳥 |
聴講者の声:
「非常に珍しく興味深かった」「青海波の舞踊の衣装と振りが美しかった」「もっと他の曲も聞きたかった」
2009.4.24-25
チュニジア
カルタージュ公演
2006年のチュニジア公演に続き、2度目の公演はチュニスから東北15kmの郊外にある古都
カルタージュ(カルタゴ)
にて行いました。今からおよそ2800年前に植民市としてフェニキア人により開かれたカルタージュは、ギリシア・ローマ・アラブ・トルコと
覇権をめぐる歴史の荒波に翻弄され、繁栄と破壊を繰り返してきました。現在では風光明媚な観光都市、遺跡と博物館の街、閑静なベッドタウン
として人々を魅了しています。
両日とも晴天に恵まれ、初日は満席。オープニングは結成して30年という地元のコーラス愛好会「チュニス・シンガーズ」が舞台に立ち、
日本の唱歌を披露してくださいました。
茶の湯デモンストレーションでは亭主役を北之台雅楽会会長井口陽一郎が務め、
24日は在チュニジア遠藤茂日本国大使と大使夫人をお客にお迎えました。
休憩時間には抹茶と干菓子を一階ロビーにてふるまい、来場者全員に日本を味わっていただきました。また、客席入口のある二階ホールには
ジャスミンクラブ(Jasmine Club)の方たちによる素晴らしい生け花がたくさん展示され、文字通り花を添えていただきいました。
第2部の雅楽では、平調音取と越殿楽、催馬楽、舞楽「青海波」を鑑賞していただきました。
また、この日はチュニジアの音楽院生と雅楽の質疑応答の時間をもちました。
25日は、正午から二時間にわたって「舞楽ワークショップ」を開催。地元でダンスを習っているプロのダンサー等が11名参加し、
舞楽の説明と動き等を学びました。
会場:マダール・カルタージュ(230名収容)
主催:北之台雅楽会 後援:在チュニジア大使館
入場者:24日 230名、25日 150名
プログラム:
24日 19:00-21:00
【第1部】日本の唱歌(ゆりかごの歌、早春賦、さよなら、花の街)/茶の湯デモンストレーション/休憩(抹茶サービス)
【第2部】雅楽 1.管弦「平調音取」「越天楽」2.歌謡−催馬楽「更衣」3.舞楽「青海波」
25日 14:00-15:40
【第1部】茶の湯デモンストレーション/休憩(抹茶サービス)
【第2部】雅楽 1.管弦「平調音取」「越天楽」
2.歌謡−催馬楽「更衣」3.舞楽「青海波」
茶の湯1 |
茶の湯2 |
茶の湯3 |
舞楽ワークショップ |
在チュニジア遠藤茂日本国大使と大使夫人 |
亭主役を務める井口陽一郎北之台雅楽会会長 |
折り紙の器に盛られた干菓子を受け取る来場者 |
キネシオロジー・エクソサイズの実習を行う受講者 |
来場者の声:
「もっと音楽が聞きたかった」「ブラボー!!とても素晴らしかった。もし、他にも日本の文化があれば是非発見したい。次のコンサートにも参加したい」
「日本文化紹介の行事が首都チュニスだけでなく、他の地方でもやって欲しい。特にスース(チュニスより200km南の都市)で」
「とても素晴らしい夜でした。そして、日本で生活したいです」
「とても心が安らぐ夜でした。私は大変好きになりました」「とてもエキゾティックで心地よい大事件だった」
「海外でこのような活動をされている事は日本人としてとても誇りに思います」
「私は初めて日本のセレモニーを見ましたが、その価値を理解する事が出来ました。セレモニーの中で、彼らの姿勢、動き、
そして進行全てが素晴らしく幻想的でした」
「茶の湯の時に、説明を入れてくれたらもっと良く理解できたと思います」
「次回はアラビア語で話してください」「また来て下さい。もっと、もっとそしてもっと。ありがとうございました」